2024年3月3日(日)に17回目となる「秋田県呼吸療法スキルアップセミナー」を秋田大学医学部附属病院多目的室にて現地開催で開催いたしました。 今年度よりセミナー名を秋田県呼吸療法スキルアップセミナーと改め、人工呼吸器管理のみならず呼吸療法に関わる知識や技術、情報を学習できる名称に変更しました。参加人数は54 名(秋田県臨床工学技士会員18名、非会員36名)にスタッフ8名が参加し総勢62名の参加となりました。 午前の部は医師と看護師による講演が行われ、「症例から学ぶ!呼吸不全患者に対するデバイスは、こう選べ!」と題し、秋田大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学講座 佐藤佳澄先生、「人工呼吸器装着患者の苦痛」と題して秋田大学医学部附属病院 高度救命救急センター 加藤貴則先生よりご講演いただきました。佐藤先生は症例を提示した視診・聴診・触診アセスメント方法の重要性や加藤先生には身体的・精神的・社会的苦痛の評価方法や対策について講演いていただき臨床において大変参考になる内容でした。 午後の部は昼食を挟み、エアロジェンジャパン株式会社 内山高広様によるネブライザーAeronebについてご講演いただきました。近年、振動メッシュネブライザーの臨床効果は多く報告されており参加者の皆様にも以前のネブライザーの概念との違いについて大変興味を持っていただけたと思います。続いて、理学療法士と臨床工学技士による講演が行われ、「人工呼吸器装着患者に対する呼吸理学療法の役割と最近の早期リハビリテーション」と題し、市立秋田総合病院 理学療法室 川越厚良先生、「人工呼吸器グラフィックの見方と人工呼吸器非同調」と題して秋田県立循環器・脳脊髄センター 臨床工学部 鈴木優介先生よりご講演いただきました。川越先生からは近年の早期リハビリテーションについて文献を用いて解説いただき実際とその効果についてご講演いただきました。鈴木先生は人工呼吸器のグラフィックについての解説や非同調の種類、その対処方法について解説いただきました。午後の部の先生方も臨床で出会す問題について分かりやすく解説していただき、質疑応答でも参加者の疑問に丁寧に回答していただきました。 今回のセミナーは会費を他県セミナーと同等の安価な金額に変更し、現地開催での集客を模索いたしました。そのため、会場を高速道路出口より近い秋田大学医学部附属病院で初めて開催するなど新たな試みもありましたが県内全域より多くの参加者にご参加いただきました。その結果、収支においても予算範囲内に収めることができました。セミナーの運営においてもご参加いただきました理事・監事のご協力もあり無事盛会のうちに終えることができました。この場をお借りして御礼申し上げます。来年度以降も新たな可能性を模索して参りたいと思います。 (文責 畠山拓也)