令和7年7月27日に市立秋田総合病院の講堂を会場に第21回秋田県心電図セミナーを開催しました。今回は47名の方に参加いただきました。
市立秋田総合病院・循環器科の阿部芳久先生を講師に「心電図一年生」というテーマで心電図の基礎を中心に御講義をいただきました。
今回の内容として心臓や刺激伝導系の解剖、またそれらの心電図上での特徴、心電図の原則、各種誘導について、心電図の読み方のチェック項目など幅広い領域における心電図の基礎について行いました。参加者はCE以外にも看護師や臨床検査技師など県内の他職種の医療従事者の参加が多く、約5時間という長丁場にわたる講義でもメモを取りながら、真剣に聴講しており、参加者の皆様に有意義な時間を過ごしていただく事が出来たと感じております。
また今年よりランチョンセミナーを設け、日本メドトロニックより「植込み型心臓デバイスと心電図」という題でペースメーカの概論について、心電図と関係のあるデバイスの特徴や注意点などを御講演いただきました。
今年で21回を迎える秋田県心電図セミナーですが、毎回テーマを替えながら、多数の医療従事者の方々をターゲットに行っているセミナーです。今年は参加者も例年より増え、秋田県内で心電図を学ぶ機会も多くない状況ですので、これからもニーズ応えられるセミナーとして続けていけたらと思っております。
最後に参加された皆様・スタッフとして参加していただいた方々・ランチョン共催の日本メドトロニックをはじめ、広告を戴いた各メーカーの皆様に感謝いたします。(文責 渋谷良平)
秋田県心電図セミナー感想 (秋田大学医学部附属病院 臨床工学センター 佐藤 裕斗 会員)
今回で21回目を迎える「秋田県心電図セミナー」に参加させていただき、まずその長い歴史に大変驚くとともに、阿部芳久先生が長年にわたり医療従事者の知識向上に貢献されてきたことに感銘を受けました。セミナーの内容について、循環器業務に直接携わっていない私でも、専門用語だけでなく、心電図がなぜそのような波形を示すのか、毎回その定義に立ち返りながら解説してくださったことで、表面的な知識に留まらず、本質的な理解を深めることができました。特に印象的だったのは、ST上昇・低下の原理を、心内膜と心外膜を意識して読み解くことの面白さと重要性を、指示棒を使ったユーモアあふれる解説で示してくださったところです。これまで私は、心電図について書籍を通じて独学で学んでまいりましたが、理解の面では今ひとつ自信が持てない状況でした。しかし今回のセミナーを通して、これまで得てきた知識が点と点でつながり、心電図を読み解くことの奥深さや面白さを実感することができました。また、これまで漠然と眺めていた心電図に対して、「どこを見るべきか」という明確な視点が養われたように感じております。配布されたテキストも非常に分かりやすく、将来私が循環器業務に携わる機会があれば、必ず読み返したいと思えるほど素晴らしいものでした。この学びを今後の臨床業務に活かし、心電図異常にいち早く気づけるよう、より一層精進して参りたいと思います。